「送ってくれてありがと。また、あとでね。」 赤信号で止まり、その瞬間私は、車から飛び出した。 今まできた道を駆け戻っていく。 『秀のこと…分かってやれるのはもう、お前だけなんだから。突き放されても……離すなよ。』 心兄は、私が秀の気持ちを分かってやれると言った。 私だけだ、とも言ってくれた。 秀のための、嘘かもしれない。 でも、そんなことは分からない。 それでも、私は……… 本当は……すごく、嬉しかった。