私は、すがるように抱きついた。



「あたしこそ、ごめんね。煌のことだから、そーやって抱え込んでるって薄々気付いてたのに。」



私は、稔ちゃんの胸の中で首を横に振った。


稔ちゃんは、悪くない。



「謝らなくていーの……我慢しなくていーよ?ゆっくりゆっくり前にいこう。」


「………ん、うん…………」


「今までのことは絶対無駄なんかぢゃないよ……次に行こう?ゆっくり……後ろ振り向きながら。大丈夫、みんないるよ…」



泣きながら、頷いた。


稔ちゃんが擦ってくれていた背中が暖かくて…優しくて気持ちが良かった。


落ち着くと、二人で鼻かんで秀のお見舞いにもらったらしいりんごを食べた。