そのあとで、幸さんから秀が目を覚ましたことを聞いた。


以外と元気らしいけど、今はまだ目を覚ましただけでぼーっとしているらしい。


愛しそうに小さな箱を持ちながら話していた。



「心くん…煌ちゃん…穹くん……この箱優なのよ………信じられる?」



やつれた頬を引っ張って一生懸命笑っている幸さんを見て、胸が痛くなった。


恐る恐る箱に手を伸ばすと優しく幸さんが手を添えて箱に触れさせてくれた。



「ね…小さくなっちゃったよね。あたしよりも大きかったのよ…?嘘みたい……よね。」



私の手からそっと箱が離れていった。


幸さんに目を向けると、誰にも触らせないかのように、誰にも渡さないかのように、ぎゅっと抱き寄せて、ただ……泣いていた。



「優……!優………!!なんで、どうしてッ……?!なんで先に行っちゃうの、なんであたし…置いてくのよ!!」



そのまま、箱を抱き締めたまま、泣き崩れていった。