私の顔がくっついていた右腕が暖かくて、体全体が暖かい気がした。
このまま起き上がってくれそうな気さえした。
でも現実は、右腕だけが暖かくてそっと、触れた頬が冷たかった。
布団から右腕だけを出そうとしたらかちかちになっていて、思うように動かせない。
やっと、顔を出した右腕は青白くカッターのためらい傷が何本かあった。
痛々しくて、吐きそうになった。
でも、見とかなきゃ、後悔する。
絶対に、する。
私の中で誰かが叫んでいる気がした。
傷を指でなぞってみると、まだ、乾ききっていなくて嫌な感触だった。
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