「…ね、冗談やめなよ。狸寝入りなんでしょ?」
「…………煌?」
お母さんの擦れた声が啜り泣くのと交じって聞こえた。
でも、答えなかった。
ううん、答えたくなかった。
そんなことしても無駄なのよって言われたら、私は、何かがぶちぎれそうだった。
「………みんな心配してるから。起きてよ、煌だって寂しいしさ。」
「…………煌。」
今度は、心兄の声。
嫌だ、誰も邪魔しないでよ。
私が淘と喋ってんのに。
腹の底から何かが上がってくる気がした。
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