「優、起こそっか。」 「へ?」 「煌、何ゆってんの?どーしちゃったの?」 私の言葉に驚きを隠せない二人は目を泳がせながら、皆の顔色を伺っている。 それでも、私は、構わなかった。 迷わず人込みを掻き分け、枕元に立った。 少し苦しそうにマスクのようなのを付けた優は、時折安らかな寝顔を見せていた。 「優!煌だよ、分かる?!起きてよ、ねぇ?」 体を揺すった振動で、優の前髪がさらさらと動いていく。 長い睫毛は、ぴくりともしないまま。