さっきよりも辛くない気がしたのは気のせいだったかもしれない。


それでも、たまに今でも考えることがあるんだ。


もしかしたら、優が……秀が……呼んでいたんぢゃないかって。



「煌!」



病室に入ると同時くらいに、還梨と中ちゃんが飛び付いてきた。


還梨が深刻そうに私の右手を両手で覆い、中ちゃんは、何かに脅えるように左肩に顔を埋め、私にしがみつく。



「優くん今夜が山場だろうって。どうしよう、あたし何もしてあげてないんだ…」


「煌がいない間は麻弥たちが優くんと秀くん生かそうって、どうにかしようって……言ってたのに。いろんなことしてもらったのに、まだ何も返してない、返してないよぉ……」



還梨も中ちゃんも他のこの病室内にいる人だって同じ気持ちだろう。


私だって、淘だって……


……秀だって。