「…まだ、どうなるか分からないぢゃないっ!」
トンカチで殴られたかのように、お母さんの言葉が私を揺さ振った。
「でも煌っ……」
「……煌自身が、そうやって少しでもそう思う時間があるなら逆に『助かる』って信じてあげてなきゃ。『死んじゃう』って考えてるうちは奇跡なんか、起こらないわよ…!」
お母さんは、そう言って私を優しく優しく抱き締めてくれた。
私が吐いた嘔吐物が服に付いて、汚れることさえまるで、呼吸をすることのように気にしなかった。
「お母さん……」
「……何?」
「……汚れちゃうよ…?」
「…気にしなくていいの。」
お母さんに抱かれて…人の暖かさを感じて…また泣いて…
「…いいのよ……大丈夫だから…もう……いいの……。」
それでも涙は枯れなかった。


