「どーしたの?何が違うの?」
お母さんのその言葉にまた首を振る。
《生命を…声を…奪ったのは私》
《全部全部私のせい》
「き…煌が……煌が……」
「言わなきゃ分かんないんだから言ってみなさい。」
「煌が…………」
優しく暖かな掌。
とめどなく零れ落ちる涙。
それはもう、戻らない時間を表しているようで……
「…煌が……煌のせで……優と秀………死んじゃう…。」
そのすぐ後、乾いた音が響いた。
怪我をしていない右頬に痛みがじわじわと広がり、熱く火照っていくのが分かった。
お母さんは………
……泣いてた。


