森が暗くなるのは早い。
最近は少し肌寒くなってきた今日この頃。
街灯もなく真っ暗な道をれいんは早足で急ぐ。
森の奥深くにぽつりと佇む家なので、そう簡単には見つからない。
今までなんど遭難しそうになったことか。
それでもなんとか辿り着き、鍵を開けると…。
「…?」
中にはどう見ても男物の上等な革靴が。
バタバタバタバタ
急いでリビングに向かうれいん。
「よぉ」
しかしそこには、彼女がよく見知った人物が。
空き巣かチンピラかと不安になっていたれいんは安堵のため息を吐いた。
チンピラという点では強ち間違ってないが。
「…なんのよう?」
「いやぁ、元気にしてるかなぁ…と思ってな」
彼はれいんの父親と名乗ってる男。
無論れいんはこれっぽっちも信じちゃいない。
だいたい年齢的に見ておかしい。
彼はどう見ても20代後半にしか見えないが、れいんは16歳。
嘘を吐いていることは明白である。
しかし、彼女が彼に助けられていることもまた事実。
実際彼がいなければれいんは生きていくことさえ困難だっただろう。
よって、彼が来たとしても邪険に扱えないことがれいんとしては無性にむしゃくしゃするところである。
彼もそのことを知ってて来ているのだから質が悪い。


