お兄ちゃんの単車の後ろに乗る。 「お兄ちゃん…まだ、このことは言わないで。」 「わかってる。」 颯太たちは何も知らない。 何も知らないあたしが急にこんなふうになったら。 またコロコロと性格の変わる タチの悪い女って思われかねない。 だから… 「言ったらぶっ殺すからな、真守」 「ったりめーだろボケ。でも、たまには俺の前でも、昔みたいに戻れよ。」 「…うん。」 あたしの声はバイクの音にかき消されて 真守に届くことはなかっただろう。