「だからね、理緒ちゃんにも、ちゃんと理緒ちゃんのことを見てくれて、ちゃんと理緒ちゃんを守ってくれる人が傍にいて欲しいの。」
あたしに涙目を向ける未来さん。
「深影君がどういう人か、私はそこまでよく知らないけど、理緒ちゃんがしっかり考えて、それでも彼の傍にいたいって、ずっといれるって自信があれば、上手くやっていけると思うわ。」
そう言いながら未来さんは
あたしの手を握りしめた。
「人を好きになる。確かに最初はわからない。そのうちは怖い。もしかしたら知ってしまった方が怖いかもしれない。でも、同じくらい大きな幸せがあるはずだから…」
「未来さん…」
「だから、深影君のこと、よく考えてあげて」
そう言うと未来さんは、
お化粧、直さなきゃね〜
って、いつもみたいに笑いながら
あたしの部屋を出ていった。
…深影。
深影、会いたい。
部屋で一人のあたしに、そんな感情だけが
ポツンと浮かんでいた。
