それに気付いた深影は、 より一層抱きしめる力を強めた。 「大丈夫。真守っちも俺も、怖がってない」 「う、そ…」 だってお兄ちゃんのあの目… 「真守っちから聞いたんだ。俺は理緒が俺みたいに喧嘩するところなんて見たくなかったんだって。でも理緒が可愛いから護身術を教えたって。」 「…うん」 「本当は俺が守ってればお前に護身術なんか教えなくたって、お前が喧嘩なんて知る必要なかったんだって真守っち言ってたよ」 「………うん」 また一筋。 涙が流れる。