近くて遠い。



「お主、やりおったな。怒らないから、正直に申してみよ。楽しかったか?」


私が何かの貴族みたいな感じでスマホを指差しながら聞くと、涍は一瞬キョトンとした。

そしてその後にやけだした。

すると今度は、にやけ顏をキリッとさせて


「姫、最高に楽しゅうございました」


といって最高の嫌味笑顔を浮かべた。



「お前...」



ピロロン



言いかけたところを着信音に阻まれ、その音の方に目を向けると



河崎からと思われる文が。



《オッケー。じゃあ明日、9時に遊の家行くわ》


「おい。」


「ははは、ごめんねー」


楽しそうにお腹を押さえて笑っている。


U☆Z☆A☆I


「はあ...どうすんのこれー」


しばらく笑っていた涍はやっと落ち着いたのか


「ははっ....あー....。でもお前どうせ明日暇なんだろ?」


「それはそうだけどー」


「じゃあ教えてもらっとけよ。二人っきりで❤︎」


「なっ...!」


オネエみたいに言った涍に笑いつつも、二人っきりというそのワードに照れてしまった。


幸い、明日は土曜日。母さんも父さんも仕事があるらしく、男が何人来ようがその関係を怪しまれることはない。


が、さすがに二人っきりは気まずい。


気まずすぎる。


あれ、でも今私は涍と二人きり...(キッチンに母さん入るけど)なのにそんなことは思わなかった。


なんでだ...?