近くて遠い。



でも、やっぱりカップル二つに対して私がそこに入るのはなんとなく気まずいから、やっぱり私はいいやって遠慮した。


自分でやったことなのに、なんか凄く悲しい気持ちになった。



数分後になって、男子2人だけ戻ってきた。


「あれ?美久たちは?」


「あー。向こう。なんか怒ってる」


「は?なんで?」


「四人で撮っても意味ない、だってさ」


「っ.... 」


「やっぱり、櫻井さんがいないとダメなんだよ」


「そうだぞ。ほら、戻ろうぜ」


「....うん」



みんなの気持ちに、またもや涙腺が潤んだ。


そのまんま写真を撮った私は、涙目で、でも口元はちゃっかり笑っていた。


やっぱり、嬉しかったんだと思う。


ああ。私も素直じゃないな。



そのまま夕方までショッピングモールで買い物をして、みんなで私の家に行った。



母さんから携帯に、


《みんな連れておいで!今日はたこ焼きパーティするからね!》


とメールが入ったからである。


なので夜は私の家で食べることになった。


が、美香は塾があるということで、一旦塾に行き、後から途中参加となった。


家に着くと、もうほとんど準備は終わっていて、あとは焼くだけとなっていた。


私と裕太くんでたこ焼きをどんどん焼いていく。


涍がたこ焼きを取り分けていると。


「ふっふっふっ。」


と言いながら美久は涍のたこ焼きが入った更にコーラを入れた。


「あっ!てめっ!!」


涍はそう言ってやり返そうとしていたけど、美久は皿を持ち上げてそれをかわした。


「はははっ!」


久々にこんな笑ったかもしれない。

凄く楽しかった。


でも途中で。


「ねえ遊、席変わって!」


「え...」


「いいからいいから!」


「あ、うん」


そういって、私の座っていた席につくと、裕太くんと何やら話し出してしまった。


チラッと横を見ると、悲しそうな、あの影のある笑顔を浮かべた涍がいて。


胸が少し痛くなった。


「こ、涍.... 」


ドバドバドバ


え。


「へへっ。コーラ」


下を見ると、私の取り皿には3つのたこ焼き。

そしてそのたこ焼きは、コーラの川に浸っている。


「このやろっ!!」


「はははっ!ごめんって!」


このときはさっきのような影のある笑顔じゃなくて、本物の笑顔のように見えた。


知り合ったばかりの私にはわからないのかもしれないけど、なんとなく、気になってしまった。


たこ焼きを食べ終わって、リビングでごろんタイム。


ごろごろーってしてたら、部屋の隅に美久と裕太くんが固まっていた。


私もそっちに行こうとしたんだけど、2人の空気が恋人みたいで、なんか入りずらかったから諦めた。


もっかいごろーんってしてたら


「よっ」


って涍が話しかけてきた。


その時の顔は、やっぱりどこか悲しそうだった。