少女の願い

いつもは、残された人間に、興味なんて湧かなかった。

今回だって、何故気になったのか分からない。


あの日の…去年のクリスマスの、水色にグレーを足した様な、薄曇りの空と、薄汚れたこの手紙とが、同じ様な色をしているからだろうか。


僕は雪の中をずんずんと歩く。

手紙の差出人の家を目指して。