少女の願い

「えっ?」

『僕はサンタじゃ無いけどね。』

僕は何を言っているんだろう。母親に会わせてあげるなんて。

それは、少女の死を意味するのに。

「本ト!?」

案の定。
少女は僕の言葉に目を輝かせる。

『うん…でもね?
ここには帰ってこられなくなるんだ。』

「じゃあ…パパとは会えなくなるの?」

『暫くはね。』

僕は意味あり気に言った。少女の気が変わるのを、心の中で願いながら。