秘密のあの子と黒髪王子

「お母さん。」

「ん?なぁに?」

「えっと・・愛沢君は?」

「え?愛沢君?その子なら今この病院の一階に居るわ。
どうしたの?」

「えっと・・その・・お礼が言いたくて・・」

そう言うと、母は、ニッコリと微笑み・・

「分かったわ。今呼んでくるわ。」

「ありがとう。」

そう言うと母は病室を出て行った。

パタンッ

そっか・・愛沢君・・・助けに来てくれたんだ。

嬉しくてたまらないこんな私を助けてくれる人がいたという事に、
それが私の好きな人だと言う事に。

目が熱くなる。

手鏡で目を見ると桃色に染まっていた。

「やっぱり・・好きなんだな私・・愛沢君の事。」


そんな事を呟いていると・・・。