本 音 − ホ ン ネ − 【完】




「伊都…あのさ…」

私は、すべて話した。

「んー、そーだね。
別にーー…「奈々!!!」」


ドアを見ると鬼の形相の那月。

「告られたんでしょ?!?!佐賀実に!

ねぇ、ふるの?ふるのよね?!」


あぁ、やっぱり好きなんだ。

「私、佐賀実が好きなの、あんたなんかが佐賀実と付き合って良い訳ないでしょう?!
佐賀実と付き合うのは私なのよ!!」


『あんたなんかに』

どうして、貴方はいつもいつも私を見下すの。