6月ももうすぐ終わる頃、
仲の良い詩音(しおん)と保奈美(ほなみ)と、学校終わり一緒に近くにあるパンケーキ屋さんに行った。

そのパンケーキ屋さんは最近オープンしたてで、店の中は女性客で埋め尽くされていた。

「は〜、やっぱり頭を使った後は甘いものでしょ!」
詩音は中々の大食いで、少し体型もふくよかだ。
特に甘いものには目がないので、近所の美味しいスイーツなどは知り尽くしている。
スイーツ博士、とでも言っておこうか。

そして性格も相当甘い。自分にも。他人にも。
誘惑にはすぐ負けてしまうし、いつも弱気で少し脅せばすぐに言うことを聞く。
そんなような子だ。
でも人の事は第一に考える。
この間も私の進路の事で4時間も電話に付き合ってくれ、いろんな意見を出してくれた。



「そんなんだから太るのよあんたは。少しは甘いものやめて痩せようとは思わない訳??」
そう言っていつも毒舌を吐くのは保奈美で、保奈美はモデルを目指しているだけあってとてもスタイルが良い。
元々目鼻立ちもはっきりしていて美人だしそれでいて身長も171cmもある訳だからモデルを目指さない訳がない。

いつも毒舌を吐くが詩音の事も私の事もよく考えて、よく分かってくれているのでイラっとすることはない。

そんな2人だから私も楽に楽しく過ごせているのだと思う。