「はあ…あの二人は大丈夫だろうか」
「何が?」
瑠璃の隣を歩く藍は首を傾げた。
「もう三年生になるのに、紫苑と緋桐はマイペースと言うか…こんなんじゃ、受験が心配」
瑠璃がそう言うのも、先日紫苑と緋桐の担任の先生から同じ事を言われたからなのだった。
「もう高校も決めないといけないしね。瑠璃ちゃんはどうするの?」
「まだ決めてない、けど…二人が心配だから同じ所かもな」
瑠璃は苦笑した。
「そっか」
五人は全員近くの公立中学に通っていた。
制服は女子は黒に赤いリボンの普通のセーラー服で、男子は黒の学ランだ。
瑠璃は淡い水色のリュックを背負い、藍はそれと色違いの紺のリュックを背負っている。
二人はいつもの様に話をして学校へ向かった。
そしてまだ家に居る二人は…
「やっぱさ〜…瑠璃のご飯はおいしいね」
まったりと食事をしていた。
「おい…早くしねえと!」
急いで学ランを羽織る緋桐は、紫苑を急かす。
「まあまあ。緋桐は案外真面目だよね」
「はあ!?いーから、はやくしろよな」
「俺の鞄取ってきてくれる?」
紫苑の言葉に従い、緋桐は二階に行き紫苑の黒のスクールバッグを持ってきた。
そんな二人が遅刻せずに学校へ着いたのかどうか…。