五人が通うのは、公立中学である翠中学校である。

ごく普通の学校で、少し生徒数が多い事が特徴だ。



昼休憩の事…


「蓮…これお弁当」

「ありがとう」

蓮のクラスまでお弁当を届けた瑠璃に、クラスの視線が集まる。




「やっぱり憧れるなあ…クールで同じ歳とは思えない」

「二人が並ぶと目の保養になるわあ」


女子達が小声で言い合う。





そんな視線に気づくのは蓮で、瑠璃の手を引き教室を出た。





「どうした?」

人通りがほとんど無い階段に座ると、瑠璃が言った。



「やっぱり瑠璃は自覚がないかもだけど!」
蓮は立ち上がり、座る瑠璃にずいっと詰め寄る。

「瑠璃はあたしと似てモテるんだよ!(女子からが多いかもだけど…)」
蓮は大きな声で言う。

「えっと…蓮?確かに蓮はモテるけど、大声でそんな事言って恥ずかしくないか?」
瑠璃は苦笑いを浮かべて言う。



「だってほんとの事だしね。あたしは自分の長所ぐらいわきまえてるわ」
強気な笑みを浮かべて蓮は言う。

そんな蓮に瑠璃は微笑む。


「な、なによ」

「いーや?そうだ、今日の夕食は何が良い?」
瑠璃は話を変える様に言う。