ある小さな病院で、華宮夫婦の子どもは生まれた。
身内が少しだけ集まり、祝福され生まれてきたのは…五人の愛らしい子ども達でした。
柔らかい黒髪に、五人様々な瞳の色を持っていた。
皆は嬉しさで微笑み、涙を流す。
そんな子ども達はごく普通の一軒家ですくすくと育っていき、たくさんの愛情を注いでもらう。
「あっ、ちょ…しい君!ひい君の髪引っ張ったらだめですよ〜!お母さんどうにかしてくれ!」
一人の黒髪の男は二人の赤ん坊を抱き上げる。
「あらあら。ちょっと待ってね?れんちゃんが泣き止まなくて…」
子どもの母親らしき栗色の髪の女性は、穏やかに微笑む。
「るりちゃんは大人しく眠ってくれるのになあ…あいくんもるりちゃんの隣なら泣かないし」
黒髪の男は父であり、五人の赤ん坊を優しく見つめる。
「みんな可愛すぎて…これから心配だな」
「この子達は大丈夫。お互いを思いやって生きてくれるわ」
女性はおっとりとした口調で言う。
そして気づかぬ間に赤ん坊達はすやすやと眠っていたのだった…。