ワンコと私





「…はい」

「お、気が利くな」



「やればできるじゃん」、とぼーぼーの髪を再び上でまとめるこの男を見ていたら、本当にさっきの奴と同一人物なのかと疑問に思ってしまう。

それぐらい恐ろしかった。風見透の「殺すよ?」は。



「……」

「何?オレの顔に何か付いてる?」

「いや…」

「……ねぇ美希ちゃん?」

「…な、なに…?」

「美希ちゃんてさ、口悪いね」

「………。






黙れ変態!!!」



何コイツ信じられない!デリカシーってもんが無いの?普通言う?そう言うこと?

そりゃ直ぐにキレるし、キレたら口調荒くなるのは自覚あるけど!

少なくとも夜遅くにレディの部屋に上がり込んで、茶啜ってるアンタに言われたくないね!




「ま、一応美希ちゃん女の子なんだから」

「一応は余計だ! てか勝手にちゃん付けすんな!」

「まあまあ…。とにかく言葉使いには気を付けなよ?」

「悪かったですね…」

「ハハハ、いやーさっきのキミは凄かったね。オレ、女の子がキレたの初めて見た」

「………」

「ん? 美希ちゃーん?」

「似てたのよ…」

「…?」

「元カレに…、似てたのよ…」



ギュッと握り締めた手。
何故か、今が話すタイミングに思えた…。