――コンコン
「飯だ…」
「………」
あれから彼女を医者の元へ連れていき、長老にも報告をした。
見たこともない服を着たこの奇妙な女をどうするかという話になり、目が覚めるまでは様子見ということになったのだが………
「調子はどうだ?」
「…………」
「食べた方が早く良くなると思うけど?」
「…………」
この女、まったく口を開かないのだ。
目が覚めてからというもの、長老や村の娘たちが話しかけても話そうとしない。
しかも、俺に至っては睨んでもくる。
何故俺だけなのかは分からないけど、なんか……いらいらさせるな。
「あのさ……」
「…!!」
「いつまでも黙ってないで、いい加減喋れよ」
ムカついて、この女の首を掴んだ。
別にこの女が悪いわけではない。
ただ俺を睨み付けるその目が気に入らなかっただけ。
俺の心が歪んでいただけ…
「……っ…、フッ…」
「……何が可笑しい」
「自分を見失ってる奴に、何を言えば良いんだ?」
「…………!」
思わずカッとなってしまって、頬を叩いてしまった。
口から血を流す女を見てハッと我に返る。
「…あ……」
「………良いよ」
「え…?」
「教えてやるよ…、全部」
口の血を拭いながらそう言った女。
鋭い、だけれども真っ直ぐとした澄んだ目に思わず魅了された自分がいたが、彼女の「早くしろ」の言葉で我に返る。
そんな彼女に待つように伝えると、長老を呼びに行くべく部屋から出ていった。
.

