「そういえば、お前らなんの話してたんだよ?」
「ああ。転校生の話だよ~」
「まじ?転校生なんて初めて聞いたわ」
「ほんとにゆうちゃんそういうことに興味ないもんねー?」
「おう、じゃあ俺がそいつの友達第一号になってやろう!」
「多分余計なお世話だと思うわよー」
「なんだと!?」

ガラガラガラッ
「ほらーお前ら席につけ~!今日は転校生を紹介するぞー」
どんな子なんだろー...
こんなことを考えていたのは私だけではなかったようでみんなそわそわしていた。
「森宮〜入っていいぞ」
「はい。失礼します」

「「きゃああああ!!!!」」

「ちょっと莉子!どこが地味なの!?
すっっごいかっこいいじゃない〜!!」
後ろから美希ちゃんが背中をバシバシ叩いてきた。
そう、転校生は噂とは正反対のイケメン。
背は高くて、吸い込まれそうな瞳に、さらさらの黒髪。
地味とは程遠い王子様のようだった。

「森宮 千隼です。よろしくお願いします」

女子はもう騒いでて自己紹介も聞いているのか危うい。
「ちょっとおまえら落ち着け!」
先生の声は女子には届いてなくて、男子でさえ森宮君に見とれている人がいる。
「あーもう、森宮もう座っていいぞ」
席はー...と言う先生に女子の視線が集まる。

「...先生、僕あの子のとなりがいいです」

その瞬間女子の歓声はとまり、みんなが森宮君の指しているほうを振り返った。

森宮君が指さしたのは...

「...あー、星野の隣な。いいぞ」
あー星野のさんのとなりかぁ〜...ん?

ホシノサン...??

「よろしくね?」
突如上から聞こえた声の主は森宮君。
「え、あ、えぇぇぇ!?
わ、わ、私の隣でいいんですか!?」
「うん。君の隣がいいな。」
にっこりと微笑んだ森宮君に思わず見とれてしまった私がハッとすると

うっ...女子の目線を感じる....!!!!

隣でニコニコ笑っている転校生、
後ろで大騒ぎの親友になぜか慌てる幼なじみ。

そしてクラス中の視線...

星野莉子 16歳 新学期早々大変なことになりそうです。