ドサッ…… 持っていた鞄をはなし俺はいつの間にか宮内を抱きしめていた。 「え…?ちょ、まって…」 「ちょっとまってってば!離して!」 ドンッ――…… 抱きしめていた体が宮内の手により強制的に離された。 俺は一気に現実に引き戻された。 「さいてー」 その瞬間宮内は目に涙を浮かべて俺をキッと睨んで「さいてー」という一言だけを残して走って帰ってしまった。