やっと、マンションに着きエレベーターに乗り自分の部屋の階のボタンを押す。
「俺も乗る。」
扉を閉めようとした時、京が乗ってきた。私と京の階は一緒でお隣同士。おかげさまで、家族ぐるみの付き合いを私達が生まれた頃からしている。だから、今日の京の様子がおかしいのもなんとなく分かった。




お互い、口を開くことなく部屋のある階で降りた。こうゆう、無口なときの京は何か考えてる時だから嫌なんだよね。確実に巻き込まれるし。
私は、急いで鍵を開け中には入りドアを閉める。いや、閉めたつもり。
「ねぇ、ドア掴まれると部屋入れないんだけど。それと、ここは京の家じゃないでしょ。」
「今日、おばさんたちいねーだろ?俺のとこもいねーし、今日結南の家に泊まる。」
なんてゆった?今、泊まるって聞こえたのは気のせい?ご飯食べることはあっても泊まることなんて中学上がる前にしなくなっていた。
「なんで急にそんなこと言うのよ。困るってば!」
京は、私の言葉を無視し強引に中に入っていった。
「俺が泊まりたいから泊まるだけ。悪いか?」