「んー。」
うわ、やばい起きるじゃん!焦っていると目開いた男子生徒と目が合う。
「お、おはよう」
「だっ、だれ?女の子?いや、男の子?」
男子生徒の発言に頭にくる。確かに、女子にしては168cmで身長高いし。髪の毛はうっとおしいからショートだけどさ!しつれいじゃない?間違われないこともないけど、初対面でこの発言とか!
「違いますけど!女です!ついでにいうなら、結南って名前だし!」
「うわっ、ご、ごめんなさい!」
「ほんと、反省して!それと、気になってたんだけどなんなのそのくま。」
男子生徒はあたしの態度にびっくりしたのか小さな声で答えた。
「えっと、くまさん。俺、友達作れなくって、くまさん友達にしてんの。」
「え、なんでよ?普通に作りなさいよ!それと、名前何?」
「俺は黒崎那智です。じゃあ、ゆうなさんが俺と友達になってよ。結南さんとなら人見知りなく話せるし。お願いします。」
そうゆって、黒崎那智は私に微笑み手を差し出した。いつもの私なら確実に相手にせず断ったと思う。でも、この時は那智の寂しそうな目に断ることができずその手を握り返した。