廻る時の中で




私は心の中で“ごめんなさい”と呟いた。

そして、そっと扉を開け外に人がいないか確認すると、一目散にいつもの裏口へ駆け出した。

城壁を越えるのに、使う裏口へと。

きっと逃げ出したことがすぐにばれてしまうわ。

はやく貴方に会わないと!

私はさっき貴方と別れたばかりの丘に向かってかけだした。

もう日が沈み始めていて、辺りは暗くなりかけていた。