廻る時の中で




「そんな…」

私は俯いた。

顔から血の気が引いていくのがわかった。

だって、貴方が殺される…?

そんなのありえない…。

じわり、と視界が滲む。

「姫様、仕方がないのです。それが、この国、しいてはこの世界のためなのです。」

爺やが宥めるように言った。

だけど、私の耳には入ってこなかった。

「姫様、お部屋へ戻りましょう。まもなく晩餐の時間となります。お召物を着替えなさらないと…」

私は頷く事もできずにいた。

爺やはそんな私を連れ、半ば強引に部屋へと向かった。