廻る時の中で




もちろん、私もその存在は知っていた。

バイス帝国は軍事大国。

つまり、皇子も軍の上層部、いや、それ以上に位置する。

それに、バイス帝国はただ一人しか皇子はいない。

かなりの混乱を与えられるのは必至だった。


「…彼を…、…ルシファードをどうするつもり?」

私は震える声で聞いた。

でも、聞かなくたって答えは想像がついた。

だって皇子様なんでしょ?

…そんなの…、決まってるじゃない…。

爺やは言いにくそうに私から目を逸らした。

そして、呟く。

「…同盟において、処分したします。」