廻る時の中で



初老の男性は窓の外を眺め、息をつく。

姫が時々抜け出すのは、あの男に会っているからだとは薄々感付いていた。

姫があの男と始めてあった時、すぐに分かった。

だからこそ、あの男の素性を調べさせた。

姫様には幸せになってもらいたかったから。

彼女は小さい頃からこの国を背負うものとして教育されてきた。

自由なことなど何一つない。

可哀想でならなかった。

心配だった。

だが、彼女は真っすぐに、そして美しく成長した。

そんな彼女が初めて意識した男。

できることならば二人には結ばれてほしいと思った。