「姫様!どちらにいらっしゃったのですか?!」
お城に帰った私を待っていたのは、かんかんに怒っている爺やだった。
せっかくルシファードと会って気分が良かったのに、気持ちが下がっちゃう。
「ちょっとね」
「また“ちょっとね”でございますか!何度“ちょっと”外出されたら気がお済みになるのです?!」
「いいじゃない」
「いいわけがございません!!貴方様は一国の姫君で在らせられるのですぞ!」
「…ごめんなさい」
私がそう言うと、爺やは“疲れた”とでも言うように、深いため息を吐いた。
「姫様、お願いでございます。これ以上爺の寿命を縮めないで下さいませ。せめて外出される際は爺に一言おっしゃってからにして下さい」
爺やは“いいですか”と言うと、こちらの方へ身を乗り出してきた。

