丘までかけていく足取りは軽い。
丘に着いたらやっぱり貴方がいて。
嬉しくって、なぜか少し照れちゃって。
貴方はいつもの微笑みをかけてくれた。
「こんにちは、ルシファード」
「こんにちは、ローゼ姫」
それから一緒にケーキを食べた。
貴方は“おいしい”って言ってくれた。
私も、いつもの何倍もおいしく感じた。
その後は時間の許すかぎり話をした。
ルシファードは思ったとおりこの国の人ではなかった。
近隣諸国をめぐる旅人なんだって。
だからいろんな国の話を聞かせてもらった。
本では読んで知っていたけど、ルシファードの口から聞いた方がだんぜん面白い。
時間はあっと言う間に過ぎていった。

