それを見てなんかすげぇムカついちまって……
隣の胡散臭そうな男に連れて行かれそうになってんのを見て、俺の足はもう勝手に動いていた。
まっ、まあ他の男にアイツの処女奪われんのはたまったもんじゃねえからな!
だから連れ戻してやったのに、アイツはあんな下心丸出しのやつのことばっかかばいやがるし…!
なんなんだよマジで!
俺にはあんな笑顔見せたことあったか…?
まあないだろうな…。
今まで俺がアイツにやってきたことを考えると、まずあり得ないだろう。
俺はアイツにとってそこまで怖い存在なんだ…。
前まではそのほうがいいと思ってた。
力ずくですぐにどうにかできると思ったし好都合だって。
でも今は……
体だけじゃなくアイツの心も俺のものにしたいなんて思っちまうなんて……!
こんなの俺らしくねえ!
マジでイライラする!
第一、俺とアイツは狼と赤ずきんだぞ!
いや…あり得ねえだろ!そんなこと!
…それなのに……
「なんでこんなことになっちまったんだよ…!」
俺は意味もなく頭をグシャグシャとかいた。
赤坂……
お前は俺になにをしたんだよ…?