「っあ…!?」


…なに…!?痛っ…!


チュッ、と音がしたときに、ゾクッと体に電流が走ったみたいな感覚に襲われた。


そして……


首筋にキスをおとしながら、大西くんの右手があたしの胸に触れた…。


えっ……ちょっと…!?


「やっ…あっ……!」


「やめて」と大西くんの腕を掴んでも、何も聞こえていないかのようにかまわず動き続ける。


大西くんはいつもこうだ……。


いつも強引で乱暴でいきなりで……


時々何を考えてるのかわからない…。


のに……


どうして好きになっちゃったの……?


こんな人のこと……。


大西くんはあたしの体だけが目的なのに……


あたしだけがどんどん気持ちが大きくなって…。


叶うはずないのに……


大西くんの気持ちが欲しいなんて思ってしまうの……。


また……胸が苦しい…!


大西くんは首から顔を離して、今度はあたしの顔にゆっくりと近づいてくる。


あぁ……キスされる…。


あたしは涙目になって、最後の力を振り絞るように、大西くんの肩を押さえた。


「…大西くんっ…!」


今にも泣きそうな声に自分でも少し驚いた。


だけど大西くんはピタッと止まり、眉間にしわを寄せながら、少し顔を赤くして……


「ムカつく」


その一言だけ残して出て行ってしまった。


あたしはずるずるとその場に座りこんだ…。


首筋には、まだ大西くんの唇の感触が残っていた……。