……なんで……そんなこと…!
ずるいよ……。
「に…逃げてなんか……っ!」
言い訳なんか聞かないとばかりに、あたしは言い終わる前に壁に押しつけられた。
そして……
「あっ…!」
あたしの顔の横に大西くんは両手をついて、完全に逃れられなくなってしまう……。
ふと目が合うと……
大西くんの初めて見る真剣な瞳に、あたしはたじろいだ。
「…ね、ねえ…どいて……?」
あたしはそれ以上見つめてられなくて、パッと顔をそらして言った。
大西くんに見つめられると……
恥ずかしくて苦しくて……
今にも泣き出してしまいそうだった…。
すると大西くんは、また少しイラついたような、バツの悪そうな顔をした。
「そんなに怖いかよ……。」
…?
何か言った……?
よく聞こえなかったけど、何かつぶやいた後の舌打ちは聞こえた。
…またなんか怒ってる……。
大西くんの不機嫌な顔はいつもあたしを不安にさせる。
「もっ…戻らないと…チャイム鳴っちゃうよ…?」
「…んなの知るか。」
そう言って大西くんは……
あたしの首に吸い付いた…。


