オオカミくんに要注意


「あ…!」


「は…?お前…何やってんの…?」


あたしに気づいて意外そうな顔をしている大西くん。


…なんか……なんであたし……


こんなに大西くんと2人になっちゃうんだろう……。


特に昨日の今日だし……


なんか恥ずかしくて、大西くんの顔すら見れないのに…!


「あたしは…栞の代わりにこれを…。」


そう言ってあたしはハードルを所定の位置に立てかけた。


「ふーん、そうなんだ。」


大西くんから聞いたのに、特にどうでもいいという感じだった。


「あっ…そっか、大西くんも体育委員だから片付けだったんだよね…。」


「うん…今終わったけど。」


こんな普通の会話にさえドキドキしてる自分が情けない。


変に緊張までして……


もうやだ……!


「そうなんだ……あっ、じゃああたしも終わったから先戻るね…!」


これ以上耐えられなくて、あたしはさっさと残りのハードルも片付け、戻ろうとするけど……


大西くんに後ろから腕を掴まれてしまった。


「え…あの…」


「逃げんなよ…。」


大西くんは少し低く、だけど切なそうな声であたしを引き止める。