「……というわけだから、昨日勝手に抜け出しちゃってごめんね…!」
次の日、学校に行くと栞に和也くんとのことを聞かれたあたしは昨日あったことを一通り話した。
すると栞はキャッキャッ喜んで黄色い声を上げた。
「ええーなにそれ!大西くん超カッコイイ!」
急にテンションが上がった栞をあたしは慌てて静める。
「ちょっ…栞っ!しっ!」
「あぁ…ごめんごめん。」
栞は少しおどけるように肩をすくめて口に手を当てた。
「全然カッコよくなんかないよ…!昨日あたし無理やり和也くんと引き離されて……怒鳴られて……。」
あたしがこうして説明していくたびに、栞の顔はますますニヤついていく。
「ええーなになに略奪!?俺の女に手出すな!的な!?大西くんやるなぁ!」
栞……どんどん飛躍してるよ……。
「やっ…そんなんじゃないって!」
「じゃあ他にどう説明するのよ?」
うっ……それは……。
あたしが言葉につまると、ふふっと笑って栞は言った。