オオカミくんに要注意


「おい、早く。」


イラついた声にあたしはおびえてしまって、大西くんが座っているベッドのとなりのベッドに、向かい合わせに腰掛けた。


大西くんが左手をあたしに差し出す。


見ると人差し指にくっきりと切れ目があった。


「え…これ…どうしたの…!?」


「担任の手伝いさせられて、カッターで勢い余って切っちまったんだよ。」


そうなんだ……でも…これ…絆創膏で大丈夫かなぁ…。


そう思いながらもあたしは絆創膏をめくって、大西くんの人差し指に巻きつけた。


「病院とか…行かなくて平気…?」


さすがに心配になったあたしは尋ねずにはいられなかった。


「別にいいだろ。もう血止まってるし。」


「あ、そう…。」


…やっぱりぶっきらぼうな言い方…。


他の子には笑ってたくせに……!


大西くんに悟られないように、自分の中にいらだちをしまいこむ。