「えっ?結花って大西くんと付き合ってるんじゃなかったの?」
栞からの思いがけない質問に、あたしは食べていた玉子焼をのどに詰まらせそうになった。
昼休み。
なんとなく流れで大西くんの話になったら、唐突にこれだ……。
「付き合ってないよ!なに言ってんの!?」
「いや、だって結花大西くんとすれ違うとき、やたら不自然だし、大西くんもたまに結花のことじっと見てるときあるから……隠れて付き合ってんのかなーみたいな。」
うーん……。
栞の言っていることは間違ってないんだけど……
ただあたしと大西くんの間にある変な空気は、そんなかわいらしい理由なんかじゃない。
本当のことをいったところで信じてもらえないしね……。
「とにかくあたしと大西くんはなんでもないよ。多分大西くんにあたしが嫌われてるだけだから。」
そう言うと栞はすごく驚いた様子で前のめりになって質問した。
「ええっ?なんで?」
理由を聞かれると困るんだけど…。
「いや…そうじゃないかなって。」
「それはないでしょー!こないだも合宿同じ班で別に何ともなかったじゃん。」