その時、あたしはふとあることを思い出した。
「結花、女の子はね、一生一緒に生きていこうって決めた人に捧げるために、自分の体を大事にしなくちゃいけないのよ。」
あたしが小さい頃から、お母さんはよくこう言っていた。
小さい時はよく分からなかったけど、中学生くらいになるとその意味が分かった。
さらに後で気づいたことだけど、あたしの家では代々そう教えられて、女の子は結婚するまで純潔を守り続けていたそうだ。
だからあたしもその教えを守らなきゃって思ってた……
のに…!
狼の一族は、あたしたちの家系に伝わるこの教えを知っていたのだろう…。
だから大西くんもあたしの純潔を奪おうと……!
いっ…いやっ…!そんなの絶対いやー!
あたしは改めて事の重大さに気づいた。
赤ずきんちゃんは狼に近づいちゃいけないんだ…。
こんな乱暴で強引な大西くんのこと、少しでもいい人なんて思ったあたしがバカだった…!
これから大西くんはあたしを幾度となく狙ってくるに違いない。
そう思うと恐怖と憂鬱でたまらなかった。
だけどそんな高校生活は、まだ始まったばかりだった……。


