オオカミくんに要注意


あたしは両手で顔を覆って隠す。


「あぁー…そっか。あれのせい。」


そう言って大西くんは上を指差す。


「え…?」


顔を上げるけど……ただ暗い夜空に雲に隠れた満月が浮かんでいるだけだった。


って……ん?満月?


え!?もしかして……


「ほら…俺狼の血流れてるから、満月見ると取り乱しちまって…。」


ああー…なるほど……


ていうか!何淡々と説明してんの!?


あたしほんとに食べられそうになっちゃってるじゃん!


「だからって…!人のファーストキスまで奪うことないでしょ!?それに…さっきの大西くんすごい怖かったし…。」


あたしが必死にそう言っているのとは対照的に、大西くんは気だるそうに答えた。