ふぅー…よし!


あたしは少し気合いを入れて教室の扉を開けた。


「おはよ、結花!」


「おはよう栞!」


教室に入ると栞はもう来ていた。


あたしは栞の前の席でカバンを下ろす。


「今日から授業だね!」


「だね!」


あたしは栞と話しながら少し教室を見渡す。


よかった……大西くんまだ来てないみたい。


昨日、お母さんはとても心配して転校も考えてくれたけど、あたしはもう少し様子を見ることにした。


せっかく友達もできたし、もったいないよ。


そう言うとお母さんは「そっか」と笑って納得してくれた。