オオカミくんに要注意



「いやっ!離して……!」


「暴れんじゃねえよ!」


大西くんはそう叫ぶと、両手であたしの肩を掴み壁に押しつけた。


ジッと見つめられ、あたしは言葉を失ってしまう……。
 

どうしよう…!このままじゃ…


あたしは怖くてギュッと目をつむった……


その時、下の階から足音が聞こえた。


あたしはハッとして、目を開ける。


大西くんは階段に意識を集中させているようだ。


「おーい!誰かいるのか?……1年生か?」


階段をのぼってきたのは、生徒指導の先生だろう。


校内の見回りの最中に、あたしたちを見つけたに違いない。


大西くんはあたしから手を離して、「はい」とだけ答えた。


「お前らもうとっくに帰る時間過ぎてんだろ、早く帰れよ。」