あーー。
お腹すいた。
午後2時半。まだ6時まで何時間もある。こうなったのも全てはあの人との出会いが原因だ。
パソコンを見つめながらもう3度目の溜め息。
「………李奈っ」
「え。はい?」
「いつもの倍ボケてる。何、どうしたの」
「別にー」
隣に座るのは同期の山口三咲。同い年ということもあり仲良くなった。そう、プライベートでも仲がいいわけで。私の嘘なんか簡単に見破られてしまうのだった。
「……りーな。今度の会議の資料作り手伝ってあげても良いよ」
「えっ本当」
「で?」
だめだ。もう黙ってはいられない。
「は?鴨田って。経理の?」
「知ってるの?何で」
「目立つでしょ。あの顔。てか同期じゃん」
