葵side






暖かい春の日差し


心地よい小鳥のさえずり



そして恋の予感………



というものは、今じゃあり得ない。


なんてったって今は9月。


1年で最も寂しい季節なんだから



編入するときは、もっとこう春!とか


桜!とかあったでしょ………

なんでよりによって


枯葉が落ちてくる季節なんだ



そう、私は今日………


えっと学園名、学園名


「葵様、華咲学園!華咲学園でございますよ。」


「あー、そうだったね。ありがとう^ ^」


「いえいえ。あっ、着きましたよ」


「玄樹も行くんでしょ?」


「葵様を護るのがお仕事ですからね」

「時々私が玄樹を護るときもあるけどね」

「…………遅刻しますよ。急ぎましょう」

この人は岩橋玄樹。


私のSP?みたいな感じ。


だけど、女子より女子な


ロールキャベツ系男子です。


「葵様?」


って上目遣いで聞いてくるとこが


またあざとい。


可愛いからいいんだろうけど


「玄樹、この学園って普通じゃないんでしょ?」


「そう、聞いてますが。確か、通称5ローズという5人の生徒会が女子生徒や他校から絶大な人気を誇るとか。後は、5ローズは学園の最高権力者で逆らったものは永久追放だそうですよ」

「なんだそれ(笑)その5ローズって誰がいるの?」


「えっとですね〜。……あっ!あの方々です!」


「えっ、どれどれ!」



私の目に映ったのは見るからに


御曹司っぽい五人。


「うわぁ。私の苦手な分類に入ります。心が受付ません。」


「ですね^ ^僕もです。では、入りましょうか」


「玄樹、学園ではあの力は秘密ね。後、学園の敷地内では私のこと葵って呼んでね」


「かしこまりました。」


「よしっ、いこー」




「何、彼奴。他の女と温度差ありすぎ」


「あの力って何かなぁ」


「アリマ、盗み聞きはよくないよ?」


「聞こえてくるんだもーん。」


「今の子何年?めっちゃ可愛かった!」


「………………」


「お気に召した?」


「まぁ、面白そうじゃん」


目をつけられるなんて、思わないでしょ