なんにもできない私を。




屋上を出てかけこんだのは、使っていない空き教室。


「…っはぁ。はぁ…」


呼吸を整え終わったとこで、浮かんだ疑問。


なんであの時、ドアが開いたんだろう?


泣きそうになりながら記憶をたどっていく。



……ああ!!あの時!!



屋上から聞こえてくる声に気を取られてて、

ドアノブにかけていた右手をはずすのを忘れてた。


それで、手に力をこめたとき……ドアノブを回しちゃったってわけか……。


これほど自分の馬鹿さ加減にあきれたことはない。


木原とますます気まづくなっちゃうな。


あの1年の子、ほんとにほんとにかわいかった。


守ってあげたくなるような感じだったし、性格も良さそうだしさ。


木原、あの子とつき合っちゃうのかなぁ…。


頬につたっていく涙。


私はそれに、気づかないふりをした。