え?はる?なんで呼んだの?
慌てて私は席を立った。

すると、ゆーず。ってあったかい声がした。

私と同じクラスで、はると1番親しいかなたがいた。かなたは、男子の中で運動神経が1番良くて数人と付き合った経験もあるような人気者。

かなたとはたまに喋る程度だったから、改まって名前を呼ばれた時妙な感じがした。

私は、かなたに

どうしたの?

と聞いた。そしたらかなたは

呼んでみただけー!

冗談混じりに笑っていた。

私は嬉しかった。すごく嬉しかった。人気者のかなたにゆずって下の名前で呼んでもらえたことだけで、かなたと急接近できた気がして胸の高鳴りが止まらなかった。